映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」を見て
こんにちは、松田あやこです。
映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」
先日、公開早々見に行ってまいりました。
これは、実話をもとに、今まで映画で取り上げられることのなかった妊活をテーマにした作品です。
妊活に携わる者として、私個人の感想をここで伝えさせて下さい。
こんなに通院が必要、こんなにお金がかかる、
そして結果は絶対ではないというもどかしさ。
今現状起きている、なんだかタブー視されている不妊治療の現状を時にコミカルに、色々な視点で描かれています。
不妊治療の基礎、時系列が分かりやすく描かれてありますので、
これから妊活を考えようと思っている方、
そろそろ孫の顔が見たいと思われている方、
今、子供を望んでいる人を部下に持つ方等、
本当に多くの方に見てもらいたいなと思いました。
そう思う一方、これは恵まれた不妊治療の事例である事を伝えたいと感じました。
この物語はご主人が自ら情報収集をして、
生活習慣の改善をして、数値を変える為に貪欲になり・・・
と、ものすごく努力をされています。
(そもそもそこを大きく描かれています)
そのほかはネタバレになるので控えますね。
これを見るに当たってそれぞれの立場によっての注意点があります。
まず、当事者の奥様へ
「いい夫ね、あなたと全然違う」
「少しは見習いなよ」
とかは言っちゃダメですよー!
ご主人はご主人なりにがんばっていらっしゃいますし、
それを妻に見せないのも男の美学だったりするのだと思います。
次にご主人。
「俺はあんなんできないよ」
「稀なケースでしょ」
「奥さんかわいいからだよ」
あなたの奥様はあなたがすきであなたの子供産みたいと思っている
尊い存在です。
映画のシーンで、ジーンときたところがあれば、そのまま奥様にしてくださいね。
最後に当事者出ない方々。
ここに描かれていないリアルなこととして、
女性は受診の際に下半身さらけ出します。
クリニックの待ち時間は2時間が平均的。
それ以上の場合もあります。
待合室はいつも人でいっぱい。座れないこともあります。
お忙しい先生は一人でも多くの方を診たいという想いから、受信側としては「めちゃドライ」という印象になり、そこにも寂しさを感じたりします。
仕事環境の中で全員が好意的に応援してくれるとは限りません。
チクっと物申す方もいらっしゃいます。
まだまだありますが、何を言いたいかというと、
映画の内容が不妊治療の全てではないということです。
もし、周りに赤ちゃんを望む方がいらしたら、
その方への理解をお願いします。
そして、もう一つ、経営者としてなんだかとても悔しい気持ちになりました。
エンドロールには、私の知っている会社や先生の名前が出てきました。
もっと私に力があれば、ここで「松田あやこ」の名前が流れ、
映画の結末が「デトックスの重要性」になっていたのではないか。
そういう世の中になっていたかもしれないのに。
5年前から、不妊の問題や妊活の概念をかえていきたいと活動していたにも関わらず、
「あれ、何故私はこれを見る側にいるんだろう」って。
もし私にもっと力があれば今こんなに不妊の問題なんてなかったのではないか。
悔しい気持ちの中、健やかな子供でいっぱいの社会をつくるというミッションの元、
改めて、妊娠前デトックスの文化を創っていこうと思いました。
なんて、少々おこがましいですが、正直な思いです。
10月4日に全国公開された映画です。
是非ご覧になってみて下さい。